事業内容

  • 小型水素発生機アクピアの製造・販売

  • 小型水素・酸素発生機スーパーアクピアの開発・製造

  • 水電解方式(PEM式)水素発生機部品の開発・販売

  • 水素・酸素燃焼による暖房システムの開発

  • 炭化水素冷媒の普及



小型水素発生機アクピアの製造・販売

 学生と一緒に小型水素発生機を開発する際に、いくつかの基本的な事項を抑えて行いました。すなわち、フィルターの交換などが不要でメンテナンスがフリーなこと。機械を壊してしまわないように、外部から調整できる箇所を少なくすること。危険な薬品(アルカリ溶液など)を使わず、安全にかつ手軽に水素を発生するように工夫すること。以上の3点です。そして、開発・設計した小型水素発生機が「アクピア」であり、おかげさまで今までの販売台数のうち、機械の故障自体は2台のみで、その2台も原料水の補充を怠ってしまわれて空焚きが原因というものでした。すなわち、2023年現在50台以上の販売で故障は2台という信頼性、また設計・製作した技術者が国内にてサロンを経営しており、故障(?)時には素早い対応が可能であるのもアクピアの特長です。

 当初は、水素発生量を300 ml, 500 ml, 1000 ml とした3種類のアクピアを製造・販売していましたが、部品の簡略化と製造原価の引き下げを目的に、現在では 500 ml/min のアクピア(AQP-50TB)のみを販売しておりますが、医療機関などから依頼された特別仕様にも対応しています。

 小型水素発生機アクピアは、以下の特長を持つ神奈川工科大学発の学生ベンチャー企業当社が製造・販売する本当の国内生産の水素発生機です。


1)メンテナンスフリー:フィルター交換などは一切なく、家庭用電源にドラッグストアで購入できる精製水

   があればいつでも高純度な水素が発生可能です。

2)発生する純度は99.98%(神奈川県産業技術センター計測値)で、発生量は500 ml/min

3)開発・設計は大和市中央林間に本社があるM&Kテクノロジー。製造工場は群馬県榛東郡にあります。



小型水素・酸素発生機スーパーアクピアの開発・製造

 アクピアの製造ノウハウを活かして昨年から小型水素・酸素発生機の開発・設計に着手しており、現在その試作機が3台製造されています。


↑北見工業大学に納入された試作1号機(水素発生量2/min, 酸素発生量1/min

↑画像左:展示会でお披露目した試作2号機(水素発生量 1/min, 酸素発生量 0.5 /min)

 画像右奥:アクピア(水素発生量0.5/min)


 現在、当社と試作した水素・酸素発生機を市場投入する際の量産機の製造会社との打ち合わせが本格化しており、早ければ8月中に市場投入を予定しています。

 市場投入予定の水素・酸素発生機(スーパーアクピア)の予定仕様は以下の通りです。


電源:AC100V, 消費電力:1000 W

水素(純度99%以上)発生量:2ℓ/min, 酸素(純度99%以上)発生量: 1/min

重量(原料水除く):20 kg

寸法:300mm×400mm×500mm

主な機能:圧力安全装置、空焚き防止装置、プログラミングタイマー



水電解方式(PEM式)水素発生機部品の開発・販売

 従来の水電解方式の水素発生電解セルは、その電解効率を高めるために水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を触媒として使用していました。したがって、家庭や化学知識が不足している業者さんなどが使用する場合には、危険を伴う発生装置が多かったのですが、当社の開発した水素発生機部品(水電解セル)は、アルカリ溶液を使用しなくても従来と同様の電解効率を維持するように、いくつかの工夫を施しました(一部は特許出願済)。

 それによって、知識のない方でも安心して扱うことができる精製水(蒸留水)のみを原料水とすることで、フィルター交換やアルカリ物質の補充などのメンテナンスを施さなくても長期間水素および酸素が発生可能な水電解セルの開発・製造に成功しました。この水電解セルは、アクピアやスーパーアクピアに使用されていますが、オリジナルの機械を開発・製造を目指す方にも有償で提供しています。



水素・酸素燃焼による暖房システムの開発

 現在燃焼過程で使用されている燃料はすべて炭素を含んでいるため、燃焼時(酸化反応時)に必ず二酸化炭素(CO2)を発生します。したがって、燃焼過程において今までは、地球温暖化の原因として指摘されているCO2の生成は避けられませんでした。しかし、水素を燃料として使用する水素燃焼技術は違います。水素は炭素を含まない燃料であるため燃焼過程においてCO2の生成は起こらず、H2O(水蒸気)のみが発生します。ただし、空気中の酸素を用いて水素を燃焼させるときには、燃焼時に発生する熱によって空気中の窒素と酸素が反応して窒素酸化物(NOx)の発生が懸念されています。

 当社は、水の電気分解によって水素とともに生成する酸素を水素燃焼に使用することを提案しています。すなわち、水素・酸素燃焼システムです。水素燃焼の際に水から生成した酸素を使用することで、CO2の生成もNOxの生成も抑えられるというわけです。この水素・酸素燃焼は、言い換えれば空気のない環境で燃焼を行うことができるので、宇宙空間や水中などの空気のない環境下での燃焼エネルギーの獲得が可能であり、無限の可能性を秘めている技術といえましょう。

 当社で開発、試作した水素・酸素発生機スーパーアクピアは、水と電気があれば、高純度の水素と酸素をそれぞれ生成することが可能であり、電気をPVなどの自然エネルギーに依存することで、水があれば燃焼エネルギーを獲得可能な画期的なエネルギー技術となりうるシステムです。



炭化水素冷媒の普及

 「炭化水素冷媒」というものをご存じですか?当社代表の矢田は、慶應義塾大学大学院在籍時代からオゾン層を破壊しない地球環境にやさしい冷媒、すなわち代替フロンの研究に約40年間携わってきました。第二次世界大戦後の世界においては、米国デュポン社の発表したCFCが化学反応を起こしにくく、人体に安全な冷媒(エアコンなどの動作流体)として、数十年にわたって利用されてきましたが、1970年代よりそのCFCがオゾン層を破壊する物質であり、地球温暖化を加速する物質であるとの指摘を受けて、代替フロンの開発競争が脚光を浴びてきました。現在はオゾン層を破壊しないフロンとしてHFC冷媒が主流となっている冷凍・空調の分野ですが、実は我々の身近な自然物質である炭化水素(プロパンなど)を冷媒として使用することが可能なのです。

 炭化水素冷媒の一番の長所は、自然界に存在する物質であるため、製造コストや廃棄コストが安価な点であり、現状のフロンと比べて規制の対象となっていないことです。また別の長所としては、機器内部において作動する際の圧力が低いため、圧縮機の電力を抑えることができ、最大で50%の省エネにあることです。さらにフロン系冷媒よりも分子量が小さいため、充填量も少なくて済みますし、従来の機器に対してほぼ同程度の性能を従来の機器を改良することなく得ることができます。

 炭化水素冷媒の短所は、可燃性物質であることですが、充填量が少ないため、機器に充填する全量が漏出しても発火濃度にまで至らないのが普通であり、意識して着火(漏れている箇所に火を近づけるなど)しない限りは安全に使用することができます。

 当社では、神奈川工科大学時代からこのような炭化水素冷媒の物性研究や実証試験を繰り返し行っており、地球環境をこれ以上悪化させないために、全国の文化施設などの消防設備点検業者としても著名な株式会社O2Sと協力して、従来のフロン系冷媒を炭化水素冷媒に入れ替える事業も行なっております。

 この事業でかかる費用は、冷媒ガス代(プロパンなどの炭化水素ガスの代金)とセンサー対応料金を含めた作業賃のみです。電気料金が高騰している昨今、まずはエアコンや冷蔵庫などにかかる費用(電気代)の大幅削減を目指してみませんか?